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Macのキー長押しで連続入力(キーリピート)を有効にする方法

· 約4分
hiroaki
Individual Developer

Macで快適な文字入力を取り戻す

Macで文章を作成したり、コードを書いたりしている時、aキーを長押ししたらaaaaa...と連続で入力されてほしいのに、以下のようなアクセント記号(例:à)付き文字の選択メニュー(アクセントメニュー)が表示されて困った経験はありませんか?

アクセントメニュー

これはmacOSの「プレスアンドホールド」という便利な機能ですが、特にプログラミングや文章作成でキーを連続入力したい場合には、かえって作業の妨げになることがあります。

本記事では、このアクセントメニューを無効化し、従来のキーリピート(連続入力)を有効にする方法を、Macに不慣れの方にも分かりやすく解説します。

本記事は以下の環境で動作確認済みです。

  • Mac: M1, 2020
  • macOS: Sonoma 15.1 (24B83)

1. 解決策の概要

この設定は、残念ながら通常の「システム設定」画面からは変更できません。ターミナルという、コマンドを使ってMacに直接指示を出すためのツールを使用します。

手順は非常にシンプルで、以下のコマンドを一度実行するだけです。

defaults write -g ApplePressAndHoldEnabled -bool false

2. 設定変更の具体的な手順

ターミナルに馴染みのない方でも大丈夫です。以下のステップに沿って進めてください。

ステップ1:ターミナルを開く

ターミナルは、macOSに標準でインストールされているアプリケーションです。以下のいずれかの方法で起動できます。

  • Launchpadから開く: Launchpadを開き、「その他」フォルダの中にある「ターミナル」をクリックします。
  • Finderから開く: Finderを開き、「アプリケーション」→「ユーティリティ」フォルダの中にある「ターミナル.app」をダブルクリックします。
  • Spotlight検索で開く: command (⌘) + spaceキーでSpotlight検索を起動し、「terminal」と入力してEnterキーを押します。

ステップ2:コマンドを入力する

ターミナルが開いたら、以下のコマンドをコピー&ペーストし、Enterキーを押してください。

defaults write -g ApplePressAndHoldEnabled -bool false

入力しても画面上には特に大きな変化はありませんが、これで設定は変更されています。

ステップ3:アプリケーションを再起動する

設定を反映させるには、キーリピートを有効にしたいアプリケーション(例:Visual Studio Code, メモ帳, ブラウザなど)を一度終了し、再度起動してください。

これで、キーを長押しすると文字が連続で入力されるようになります。

3. 設定を元に戻したい場合(アクセントメニューを再表示する)

もし元の設定に戻したくなった場合は、同じ手順でターミナルを開き、今度はコマンドの最後をtrueに変更して実行します。

defaults write -g ApplePressAndHoldEnabled -bool true

実行後、同様にアプリケーションを再起動すれば、再びアクセントメニューが表示されるようになります。

4.(参考)コマンドの意味

実行したコマンドが何をしているのか、簡単に解説します。

  • defaults macOSの設定情報(ユーザーデフォルト)を読み書きするためのコマンドです。
  • write 設定を「書き込む(変更する)」という指示です。
  • -g -globalDomainの略で、「すべてのアプリケーションに共通する設定」を対象にすることを意味します。
  • ApplePressAndHoldEnabled これが、今回変更した「キー長押し時のアクセントメニュー機能」の設定項目名です。
  • -bool false 設定値の型(bool = 真偽値)と、その値(false = 無効)を指定しています。つまり、「アクセントメニュー機能を無効にする」という指示になります。trueにすれば「有効にする」という意味になります。

まとめ

今回は、ターミナルから簡単なコマンドを一つ実行するだけで、Macのキー長押し動作をカスタマイズする方法をご紹介しました。

この設定は、特にVimなどのエディタを多用する開発者や、同じ文字を連続で入力することが多いライターの方にとって、作業効率を大きく向上させるはずです。ぜひ試してみてください。