Macのキー長押しで連続入力(キーリピート)を有効にする方法
Macで快適な文字入力を取り戻す
Macで文章を作成したり、コードを書いたりしている時、a
キーを長押ししたらaaaaa...
と連続で入力されてほしいのに、以下のようなアクセント記号(例:à
)付き文字の選択メニュー(アクセントメニュー
)が表示されて困った経験はありませんか?
これはmacOSの「プレスアンドホールド
」という便利な機能ですが、特にプログラミングや文章作成でキーを連続入力したい場合には、かえって作業の妨げになることがあります。
本記事では、このアクセントメニュー
を無効化し、従来のキーリピート(連続入力)を有効にする方法を、Macに不慣れの方にも分かりやすく解説します。
本記事は以下の環境で動作確認済みです。
- Mac: M1, 2020
- macOS: Sonoma 15.1 (24B83)
1. 解決策の概要
この設定は、残念ながら通常の「システム設定」画面からは変更できません。ターミナルという、コマンドを使ってMacに直接指示を出すためのツールを使用します。
手順は非常にシンプルで、以下のコマンドを一度実行するだけです。
defaults write -g ApplePressAndHoldEnabled -bool false
2. 設定変更の具体的な手順
ターミナルに馴染みのない方でも大丈夫です。以下のステップに沿って進めてください。
ステップ1:ターミナルを開く
ターミナルは、macOSに標準でインストールされているアプリケーションです。以下のいずれかの方法で起動できます。
- Launchpadから開く: Launchpadを開き、「その他」フォルダの中にある「ターミナル」をクリックします。
- Finderから開く: Finderを開き、「アプリケーション」→「ユーティリティ」フォルダの中にある「ターミナル.app」をダブルクリックします。
- Spotlight検索で開く:
command (⌘)
+space
キーでSpotlight検索を起動し、「terminal」と入力してEnterキーを押します。
ステップ2:コマンドを入力する
ターミナルが開いたら、以下のコマンドをコピー&ペーストし、Enter
キーを押してください。
defaults write -g ApplePressAndHoldEnabled -bool false
入力しても画面上には特に大きな変化はありませんが、これで設定は変更されています。
ステップ3:アプリケーションを再起動する
設定を反映させるには、キーリピートを有効にしたいアプリケーション(例:Visual Studio Code, メモ帳, ブラウザなど)を一度終了し、再度起動してください。
これで、キーを長押しすると文字が連続で入力されるようになります。
3. 設定を元に戻したい場合(アクセントメニューを再表示する)
もし元の設定に戻したくなった場合は、同じ手順でターミナルを開き、今度はコマンドの最後をtrue
に変更して実行します。
defaults write -g ApplePressAndHoldEnabled -bool true
実行後、同様にアプリケーションを再起動すれば、再びアクセントメニューが表示されるようになります。
4.(参考)コマンドの意味
実行したコマンドが何をしているのか、簡単に解説します。
defaults
macOSの設定情報(ユーザーデフォルト)を読み書きするためのコマンドです。write
設定を「書き込む(変更する)」という指示です。-g
-globalDomain
の略で、「すべてのアプリケーションに共通する設定」を対象にすることを意味します。ApplePressAndHoldEnabled
これが、今回変更した「キー長押し時のアクセントメニュー機能」の設定項目名です。-bool false
設定値の型(bool
= 真偽値)と、その値(false
= 無効)を指定しています。つまり、「アクセントメニュー機能を無効にする」という指示になります。true
にすれば「有効にする」という意味になります。
まとめ
今回は、ターミナルから簡単なコマンドを一つ実行するだけで、Macのキー長押し動作をカスタマイズする方法をご紹介しました。
この設定は、特にVimなどのエディタを多用する開発者や、同じ文字を連続で入力することが多いライターの方にとって、作業効率を大きく向上させるはずです。ぜひ試してみてください。